コンパクトなおうち

2010.08.21 Saturday 23:23
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    お盆前、久々に 『システムA-3』 によるコンペが行われた。

    いつものセミナーのような仮想建築主によるデモンストレーションではない。
    リアルなクライアントの為のリアルなコンペティションである。

    そんな訳で、お盆前の数週間は、
    プランニングとプレゼンテーションと、その他進行中の仕事で、てんてこ舞いの忙しさ。
    しかし、とっても濃密で充実した時間を過ごしていた。



    さて、
    肝心の 『システムA-3』 のコンペだが・・




    どんな結果だったのかというと・・・




     

    『システムA-3』 の詳しい説明は、
    本ブログにて、何度か紹介しているが、
    まずは、1回目の打ち合わせで、クライアントの要望と設計条件を確認する。

    クライアントご夫妻と、我々3人の建築家と、進行役とで、打ち合わせは行われた。

    進行役は、クライアントの側に立って、
    打ち合わせの細かな解説を行ったり、打ち合わせ内容や条件の整理や確認作業したりする。
    クライアントが迷っている事、悩んでいる事は、そのままに受け止め、いっしょに考える。

    初回の打ち合わせ、たいていのクライアントは緊張しているはずだ。
    最初からリラックスして、要望を語れる人は少ないだろう。
    そのような意味でも、進行役の存在は、必要不可欠である。

    そんなスタイルでやっている。


    クライアントは、60代のご夫妻。

    ご主人が、何度か『システムA-3』のセミナーに参加されており、
    それがキッカケで、今回の依頼に至っている。

    お子さん達は、それぞれに独立している。
    基本的には、ご夫妻2人暮らしの住宅だが、
    時々、お子さん達がお孫さんと共に遊びにやってくる。

    できるだけコンパクトで、ローコスト住宅。
    セントラル暖房とパッシブ換気。
    夫婦それぞれの部屋。

    ・・・などのキーワードが出てきた。



    2回目の打ち合わせは、
    3人の建築家それぞれが、設計条件を吟味し、敷地を調査した上で、ラフプランをつくる。
    それを交えて、クライアントの細かな要望や住宅に対する想いを引き出すのだ。

    私は、クライアントの要望どおりの2階建てのプランと、
    基本的にはご夫婦2人暮らしであるとのことで、よりコンパクトな平屋の提案もしてみた。




    家具や収納、駐車スペース、屋根形状の話や、
    今住んでいる住宅の使い勝手、寝室の位置、庭や畑の話から、
    地盤と杭基礎、既存住宅の解体費用や樹木の移設に関する話まで・・・

    ラフな状態のプランを交えての話し合いは、
    1回目の時よりも多岐にわたり、実にさまざまなやり取りがなされる。





    それらを踏まえた上で、
    3人の建築家は、プランを練り直し、
    立体的な表現を含めたプレゼンテーションを行う。



    私が提案したプランはコレだ。

    全体として、35坪ほど。
    クライアントの要望をフルに盛り込みつつ、コンパクトにまとめてみた。

    できるだけコンパクトに・・・ローコストにとの要望もあったため、
    よりコンパクトに、30坪ほどにまとめたプランもつくっていたのだが、
    他の要望に合わない部分がいくつか生じたため、このプランを提案する事にした。



    1階平面図

    庭に面して、パブリックな居間・食堂を配し、
    奥の畑に面して、寝室を設けている。
    奥に行くに従い、よりプライベートな空間となるようなゾーンニングである。

    また、家事負担が軽減するよう、
    水まわり導線を短くコンパクトに、
    それでいてフレキシブルな使い勝手ができるようなプランにした。

    ぐるりと廻れる回遊導線が、パブリックとプライベートと水まわりを結ぶ。



    2階平面図

    20帖の居間+食堂+キッチン。
    1階にご主人の部屋が8帖。
    2階の奥様の部屋も8帖である。

    ご主人と奥様それぞれの部屋には、ウォークインクローゼットを設けている。

    2階の8帖の和室は、仏間兼お子さん家族の宿泊用。
    お風呂は、1.25坪タイプのユニットバス。トイレも1坪にしている。
    ユーティリティも若干広めでフレキシブルに計画し、冬場の物干し場も兼ねる。

    将来を考え、基本的には1階だけでも充分豊に生活できるよう計画した。




    断面図

    一見、平屋のようなコンパクトな2階建て住宅である。

    南側の庭(図面上右側)に大きく開いた開口部の日射を調整するため、
    軒をせり出したカタチの大きな片流れ屋根の空間である。




    勾配屋根を利用し、居間の上部が吹き抜けている。
    1階と2階が緩やかにつながっている。
    そんなつくりだ。

    吹き抜け以外の小屋裏空間(黒く塗りつぶしている部分)は、
    2階の和室と奥様の部屋から、小屋裏収納として利用する事も可能である。




    道路側から見た立面図

    現在は、既存の住宅が建っているのだが、
    道路に面したその前庭と南側の庭がとても美しい。

    そんな庭を守り、新しい住宅にも取り込む事を考えている。




    庭側から見た立面図

    南側の庭に大きく開いた開口部は、庭の風景を取り込み、日射を取り込む。
    夏場の日射は、屋根の軒が適度にカットしてくれる。



























    ラフな模型だが、久々に作ってみた。

    プレゼンに立体をもって行くと、
    クライアントの関心度と理解度が格段に高くなる気がする。
    また、説明もしやすい。

    この段階では、外観のみの簡単な模型だが、
    図面のみで説明するよりも、はるかに効果的である。



    このようなカンジで、
    3人の建築家がそれぞれのプランを
    それぞれの手法でプレゼンテーションする訳だ。

    ここで、3人の内、誰と設計監理契約を結ぶのかを決定してもらう。

    この段階でのプランは、あくまでも計画案である。
    建築家を選び、契約をするからといって、
    ここで提示した計画案をそのまま実施しなければならないという訳ではない。

    今後、基本設計〜実施設計と進む間、
    さらに打ち合わせを重ね、計画案は、どんどんバージョンアップしていく。
    実施設計完了時には、計画案とはまったく別のプランになっていたということも少なくない。

    したがって、もちろん計画案が気に入られて選ばれる場合もあるが、
    人柄や話しやすさであるとか、説明のわかりやすさであるとか、仕事の進め方であるとか、
    実際の建築家選びの条件には、さまざまな要因が絡んでくる。





    さてさて、
    今回の結果はというと・・・


    誠に残念ながら、クライアントの都合で、計画自体がなくなってしまった。
    つまり、今回は誰も選ばれなかったという訳だ。
    残念だか、仕方のないことだ。

    クライアントは、新たな住宅に建て替えをせず、
    既存の住宅をそのままに利用すると決断されたのだ。
    クライアントの個人的な諸事情からそのようになってしまった。

    しかし、残念な事は残念なのだが、不思議と悔しくはない。
    なんだか、自分のもてるモノを出し切ることができた。
    そんな気持ちだ。

    事情が事情なだけに、悔やんでも仕方のないことだ。
    はりきって次につなげよう!
    そう思う。

    今回のコンペを良い経験に、
    より良い表現と、わかりやすい説明と、
    クライアントと要望や問題を共有するバイタリティをもっともっと磨いていこうと思う。

    クライアントといっしょにつくりあげていく・・・
    これが私の建築の理想形である。
    また、永遠のテーマなのかもしれない。





    話は変わって・・・

    我が仕事場は、とても仕事場としては狭い。
    3LDKの内の一部屋、6帖間が仕事場である。
    娘達の「ただいま〜♪」という声が聞こえるほのぼの系の仕事場だ。

    そんな手狭な仕事場で、どのように模型写真を撮影しているかというと・・・




    このようにして撮影している。

    打ち合わせテーブルと本棚に黒い画用紙を仮止めし、
    三脚に広角コンパクトデジカメをセットし、
    接写モードで撮影する。

    狭いので、撮影中は窮屈で、身体が痛くなる。

    基本的には、日中自然採光で撮影する。
    北側窓なので、割と安定した光が得られる。
    手前にある電気スタンドは、補助光として使っている。

    出来映えはというと、先に紹介したとおりである。
    さすがにプロ並とはいかないが、そこそこ撮れる。
    周囲がかなり散らかっていても、肝心の写真には影響なし(笑)




    さ〜て、
    がんばって次いってみよう!!




    Comment
     結果、ざんねんでしたねぇ、、、
    お盆やすみは、ご存じのとおり、
    kenもサーキュレーションプランやってました。

     シングルのプロポーションの良さには、
    勉強になりました。。。
    • ken
    • 2010/08/22 5:01 PM
    先ほどはありがとうございます。といいますか、いつもありがとうございます。頑張って、結果で見せます!本当に不器用な人間でして。。もう慣れちゃいましたけど(笑)場違いかもですが、9/3伺います!

    恥ずかしながら、PCでのmixi 2回目でして。。。PCの方がいろいろ出来て便利ですね(笑)
    • レッグマジック→おくだ
    • 2010/08/26 7:13 PM
    kenさん

    ありがとうございます。
    残念な結果ではありますが、
    なんだか出し切った感があり、とてもサッパリした心境です。

    また、がんばりま〜す♪


    おくだ くん

    コメント(?)ありがとう(笑)
    遠慮なく、いつでもどうぞ〜♪

    また、コメント宜しくね〜^^
    • えんどう
    • 2010/09/14 10:49 AM








       
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